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【アップグレード!!ネットワークエンジニア】
(毎週月曜日発行)2009.04.13 Vol.9
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◆INDEX◆
1.はじめに
2.LAN案件で管理・調整能力を身につける
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◆はじめに◆
おはようございます。Ritzです。
日に日に暖かくなっていきますね。
コートを着る人も減ってきました。
電車や街中に、そして自分のオフィス内で、
新人と思われる人を多く見かけます。
ということで、すっかり春になりましたね。
そろそろどこかにお出かけしたいな~と思います。
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◆LAN案件で管理・調整能力を身につける◆
前回、前々回と、LAN案件について考えてみました。
LAN案件の特徴は
○ネットワークの基礎技術力が求められる
○ネットワーク技術以外だが必須のスキルが身につく
○管理・調整能力が求められる
であり、このような理由により、
【バランスの取れたエンジニア】
になることが出来る、とお話ししました。
今回は、最後の特徴を掘り下げます。
○管理・調整能力が求められる
LAN案件は一般的に、工事スケジュールが長くなります。
提案・設計段階から考えると、1年以上に及ぶ案件もあります。
期間が長くかかるのは、もちろん、お客様・ベンダー共に
やらなければならないことが、たくさんあるためです。
それに気付かず、何も管理せずに、思いついた順に物事を
進めていくと、ふと気付いたときには、『手遅れ』に
なっているのです。
したがって、(プロジェクトマネージャではなく)
ネットワークエンジニアにおいても、
○時間管理
○課題管理
の2つは必須になってきます。
また、LAN案件は、登場人物が多くなりがちです。
[お客様側]
○ネットワーク担当者(主担当)
我々がメインで接することになる方です。
LAN案件を企画し、稟議を通し、その後は
社内の各担当との調整に注力されます。
ネットワーク運用者として、新LANに対する意見を色々と
持っているかもしれません。
○サーバ・アプリケーション担当者
この担当者は、新LANに求める要件を伝えるためにやってきます。
LAN上でIP-PhoneやTV会議システム等が動く場合には、
QoSの要件を伝えてきます。
あるいは、ある端末には、100Mbpsではなくて、1Gbpsの
ポートが欲しい、と帯域要求してくるかもしれません。
また、LANをリプレースした後に、問題なく利用できるか?の
試験をサーバ・アプリケーションの視点から実施します。
○施設/設備担当者(工事担当)
通常、大企業であれば間違いなく、LAN工事をするための
社内調整をされる方は、ネットワーク担当者とは異なります。
ネットワーク担当者は、いわゆる情報システム部・IT部と
呼ばれるところに所属していますが、この施設/設備担当者は
総務部等に所属されていることが多いと思います。
工事業者とのやり取りをメインとし、安全教育などについても
取りまとめます。
LANの設計が終わり、工事が始まりますと、お客様側で一番
忙しいのは、この施設/設備担当者になることが多いようです。
ネットワーク担当者ほどは、LAN技術に詳しくありません。
[ベンダー側]
○ネットワーク担当者
新LANの設計、構築を行います。
旧LANから新LANへの移行設計・移行実施も担当します。
各種試験設計も行います。
実際の作業時には、メンバーを指揮し、監督する役割を担います。
本メルマガの読者層は、このネットワーク担当者を想定しています。
○工事担当者
配線設計やラックの設置設計、電源設計などを行います。
工事が始まると監督者として、メンバーを指揮します。
○プロジェクトマネージャ
いる場合もいない場合もあります。
お客様・ベンダーの方針や、案件規模によって変わると思います。
○営業
見積作成、機器の手配などを行います。
このように、LAN案件では多くの登場人物が現れます。
つまり、全員が常に同じ認識を持って、仕事をすることが難しくなります。
また、お互いに自分達の仕事と他者の仕事が関連しています。
(例:工事担当がパッチケーブルを接続してくれないと、
ネットワーク担当が試験が出来ない)
したがって、
○管理能力
○調整能力
が必要になってくるのです。
では、どのように管理・調整を行えば良いでしょうか?
まずは、いま皆さんが行っている、
自分向けの時間管理・課題管理の手法を、
そのまま使って頂ければ良いと思います。
以下の点だけ、忘れずに実施すれば大丈夫です。
○自分のことだけでなく、社内の他の方、お客様のことまで記載する
○お客様や社内メンバーと定期的にレビューを行い、認識を合わせる
○時間管理・課題管理ともに、何を?いつまでに?誰が?どうするか?を
分かるようになるまで徹底する
大切なのは、手法ではなく、確実に実施することです。
LAN案件は、やることが多く、登場人物が多く、工事スケジュールが
長いため、管理能力や調整能力を身につけるのに、適していると
考えられます。
これらが出来るようになってくると、エンジニアとして一人前と
言うだけでなく、
【プロジェクトマネージャ】
【管理職】
への道が見えてくることもあります。
是非、チャレンジしてみて下さい。
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<今号のポイント>
○LAN案件は管理・調整能力を身につける良い機会
○お客様側・ベンダー側のやるべきことを整理してみよう
○これらが出来るようになることで、幅広いキャリアパスが見えてくる
今回(Vol.9)の内容はいかがだったでしょうか。
是非、こちらまでご意見をお願い致します。
http://form.mag2.com/thapitraph
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本文中では、時間管理・課題管理に手法については、
皆様のやり方をそのまま使って下さい、と詳細には触れませんでした。
ただ、これまで時間管理や課題管理について、特に勉強されていない方が
いらっしゃるかもしれませんので、少しだけ紹介します。
●ストレスフリーの仕事術
―仕事と人生をコントロールする52の法則
http://www.amazon.co.jp/dp/4576060732/ref=nosim/?tag=ritz0c-22
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◆編集後記
時間管理や課題管理の手法については、書き始めると
切りが無くなるほど、巷でも色々と紹介されています。
自分なりのやり方が身につくまでの間は、
先輩の方法を真似てみたり、書籍を探してみたりすると良いでしょう。
機会があれば、ネットワーク案件をどのように管理すれば良いのか?
私なりの意見をご紹介したいと思います。
ご購読、ありがとうございました。