IT・システム関連

システム・アーキテクチャーの変遷(メインフレーム〜クラサバ〜クラウド)

中小企業の支援をする上で必要な「情報システム」の知識をまとめるシリーズ。

今回は、システムのアーキテクチャーがどのように変わってきたのかを見てみましょう。

 

システムのアーキテクチャーとは?

なお、ここでのシステム・アーキテクチャーとは、半導体屋さんが定義するようなチップレベルのお話しではありません。
そういう難しい話は専門家に任せておいて良いでしょう。

中小企業の支援者は、会計もマーケティングも法律も支援するなかの1つとして「情報システム」を捉えています。
ですから、難しいことは堂々と専門家に任せて、大局的な視点を持っていれば良いのです。

ここでいうシステム・アーキテクチャーとは、

  • どこで計算処理が行われているか(=プログラムが実行されているか)
  • どこにデータが置いてあるか

の2点に着目します。
時代とともに、この2つが変わっていく様を見ていると、ITの世界が変化してきたことを感じます。

 

メインフレームの時代

「メインフレーム」という大型コンピュータが登場したのは1960年代。
日本で広がり始めたのは1970年代頃でしょうか。
軽くうん億円はした代物ですから、当然のことながら、大企業にしか導入されていません。

Wikipeidaのページより

電算室、今で言うサーバー・ルームを覆い尽くす大型なコンピュータが使われていました。
操作はダム端末と呼ばれる端末で行われていました。

Wikipediaのページより

この端末はメインフレームとのコミュニケーションに使われるもので、プログラムの実行も、データの保存場所もメインフレームのなかでした。
今で言う「シンクライアント」のようなシステムだったのです。

 

クライアント・サーバーの時代

その後、IntelがCPUを、MicrosoftがWindows(OS)を出したことにより、パソコンが一気に広まっていきます。
さらに社内ネットワーク(LAN)が接続されるようになりました。
それによって、「クライアント・サーバー」モデルのシステムが数多く導入されました。
日本では1980年代後半、多くは1990年代に入ってからです。

サーバーとは、何らかのサービスを提供するコンピュータのことです。
以前にサーバーについて書いた記事はこちらです。。
(「サーバ」と「サーバー」の表記が入り乱れていますが、どちらも同じ意味です。ご容赦を。。)

https://biz-it-base.com/?p=4695

例えば、何らかの文書ファイルを作成した後、プリントサーバーに印刷指示を出すと、プリントサーバーに接続されたプリンターから、印刷された用紙が出てきます。
このとき、プリントサーバーがサーバー、印刷指示を出した手元のパソコンがクライアントです。
同じように、ファイルを保存するのがファイルサーバー、その指示を出したパソコンがクライアントです。

代表的なクライアント・サーバー型のシステムと言えば、Lotus Notesです。
サーバー側にはサーバー・プログラムが稼働しています。
クライアント側でもソフトウェアがインストールされて、サーバー側と連携しながら動いたのです。

様々な文書がNotesに保存され、組織内で利用されました。
また、ワークフローがNotes上で流れるようになりました。
グループウェアが生まれたのです。

この時代、プログラムはサーバー・クライアント双方にて実行されます。
そして、データもサーバーに置かれたり、クライアント側に置かれたりしました。

コンピューティング能力も、データの置き場所も、共にサーバーとクライアントに分散したのです。
この頃から、情報漏えいなどの事故がニュースで取り上げられるようになりました。

 

クラウドの時代

その後、クラウドの時代がやってきます。
インターネットへの常時接続は当たり前になりました。
そして、ブラウザが強化されたことによって、ブラウザだけで使えるシステム(=Webシステム)が増えていきます。

そんな時代に登場したのがクラウド・コンピューティングでした。
SalesForceがその代表例です。
今は、Office365を使っている人も増えてきたことでしょう。

クライアント・サーバー時代にあまりにもパソコンやデータが分散して、管理コストが大変なことになりました。
クラウド・コンピューティングは、ある意味で、そうした問題への対抗策として生まれたのかもしれません。

パソコン側にはソフトウェアのインストールは不要。
ブラウザが使えれば、Web上で動くシステムが使えるようになったのです。
プログラムの実行も、データの保管場所も、基本的にはクラウド上です。

そのため、コンピューティング・モデル(アーキテクチャー)としては、
メインフレーム時代に近い形となりました。

大きく異るのは、クラウドがAPIを提供していることです。
APIとは、システムとシステムを接続するコンセントのようなもの。
クラウドA上で実行された結果を、別のクラウドBに引き渡すようなことが、簡単になったのです。

また、端末側も進化しました。
パソコンだけでなく、スマホが登場したのです。
クラウドだけで計算・データ保管を行うシステムもあれば、
スマホアプリと連携して動くシステムも出てくるようになりました。

この場合は、スマホアプリでも処理が行われますし、
スマホアプリにデータが溜まることもあります。
そのような視点で見ると、メインフレームのような「集中型」と、
クライアント・サーバーのような「分散型」のハイブリッドの状態とも言えるでしょう。

長くなってきたので、次回に続けます。

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【編集後記】
昨日は自宅周辺に篭って資料づくり。
思ったよりも進められませんでした。。

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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