日々の気付き

【私の履歴書】職業人としての軸をつくる

私がITエンジニア時代に専門としていたのは、「ITインフラ」と呼ばれる部分です。
一般の人からは見えにくい裏方。
私は今でも、特定のアプリケーションにとらわれることのないインフラを選んで良かったと思っています。

 

自腹でモノを買って、とにかく戯れる

今、学生からITエンジニアになる人を見ると、本当に大変だなと思います。
いきなり「見えない世界」で戦わないといけないからです。
その一方で、開発環境などは手軽に入手できるので、恵まれているとも感じます。

私が新卒だった頃は、まだまだハードウェアがなければ自分が遊ぶ環境は手に入れられない時代でした。
ネットワークの勉強は、仕事でヤマハのルーターを触りまくっていました。
当時、OCNエコノミーという専用線(128bpsで月額3万8千円)を利用開始する企業が多かったのです。

ただ、ネットワークと言えば、(少なくとも当時は)Ciscoです。
Ciscoを触れなければ、胸を張って「ネットワークエンジニアです」と言えないと感じていました。
どうしてもCiscoを学びたくて、ヤフオクでCiscoルーター(Cisco 1003)を買いました。

Flashメモリの容量が足りなくて、さらに買い足したのがお財布に痛かったことを覚えています。。
確かこの4MBを8MBに増やしたのでした。
(内部を撮った当時の写真だけ残っていました)

当時は、一般家庭ではインターネットへの常時接続など夢の世界。まだダイアルアップ接続でテレホーダイが始まった頃です。
買ったCiscoルーターで接続しましたが・・
初月はアクセスリストの設定が間違っていて昼間も接続してしまい、とんでもない電話料金を請求されました。。
そんな試行錯誤を繰り返しながら、Ciscoのエントリー資格であるCCNAを取得しました。

ちなみに当時の日本は、NEC系のパソコン(PC98とかPC88シリーズ)が市場から消えつつありました。
IBM互換機が遅まきながら日本にも浸透していた頃です。
パソコンは会社にゴロゴロ転がっていたので、Windowsサーバ(当時はNT)の勉強は会社でやっていました。

ただ、UNIXを学ぶ環境はそんなにありませんでした。
今のようにLinuxがあれば簡単に触れますが、当時はFreeBSDとLinuxが生まれたばかりの頃。
商用環境をしっかりと支えるUNIXと言えば、サンマイクロシステムズの「Solaris」だったのです。

Solarisを学ぶためにもヤフオクが役立ちました。
当時、中古市場で最もコスパが高かったのがSPARCstation。
私はSS5の互換機(東芝製)を確か3万円くらいで入手しました。
オフィスに持っていき(当時はまだまだ緩い時代です)、業務時間中にもSolarisを勉強しました。

特定の社員同士で秘密の?会話をするために、何人かで協力してWeb掲示板を立ち上げました。
証明書を発行した人でないと、読み書きできないように。
ただ遊んでいただけですが、Webサーバー・認証局・暗号化など、様々な学びになりました。
きっと今だったら、秘密のFacebookグループなどでやり取りして終わりだったでしょうから、不便なのも良いことです。

そんな学びを続けていましたので、実際にSolaris案件が取れたときには、アサインしてもらうことができました。
新卒で入った会社は、今振り返っても、恵まれた環境だったと思います。

 

ITに慣れるなら、触るしかない

ちょっと履歴書から離れますが、「ITは苦手」という人は、世の中にまだまだ多いと感じます。
そういう方に話を聴くと、とにかく自分で触らないのです。
「壊してしまうのが怖い」というようなことを仰るのですが・・

IT機器は物理的に壊さない限り壊れません(笑)
挙動がおかしくなったら、工場出荷状態(買ったとき)に戻してしまえば良いだけのことです。
私自身、例えばWindowsのインストールなど、何100回やったか分かりません。

しかも今の時代、データは全部クラウドに置いておくことができます。
工場出荷状態に戻しても、すぐに使うことができます。
ですからガンガン触って、どうしても直せなくなったら、ゼロに戻してしまえば良いのです。
それができなければ、人に頼めば良いだけのこと。

苦手分野を克服するには、一定の時間を投下するしかありません。
私も苦手な分野は、明らかに時間投下が足りていないものです。

 

直接お客様と会話してナンボ

エンジニア時代は機器とも戯れましたが、担当顧客と日常的にやりとりをできたことが幸運でした。
もし大企業に入っていたら、「先輩エンジニアの言う通りに動くだけで良い」という仕事観になってしまったかもしれません。

営業に「お客さんがこう言っていた」と言われて行ってみると、全く異なることを言われたことが何度もありました(笑)
当時は営業に「ウソつくな。ちゃんと聴いてこい」と腹を立てていましたが・・
そんな現場に遭遇するたびに、自分が直接お客様と会話することの重要性を感じるようになりました。

そういう価値観が得られていたので、転職後しばらくして、お客様とお会いする機会が減ったことに危機感を感じたのです。
管理職になったり、あるいはマーケティング部門に異動した後、現場に居た頃よりも、確実に機会が減っていました。
この危機感があるとき臨界点を超えたから、フリーランスとして今もお客様と直接お会いする仕事を選んでいるのでしょう。

エンジニアであれば、自分が専門とするものに触れ続ける。
(それができなくなったときに、エンジニア魂を失ったと感じましたが・・)
ビジネスパーソンであれば、顧客や市場に触れ続ける。

このように職業人としての軸を、無意識とは言え感じることができていました。
本当にラッキーでした。

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【編集後記】
記事で紹介した機器は、まだ実家に転がっているはずです。
今度帰ったときに、写真を撮ってこようかと。

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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