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売り物がない会社と、売り手がいない会社

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昨日は、組織として弱みを放置することは致命的ですよ、と書きました。

私が良く関わるIT業界の事例で、もう少し突っ込んでみましょう。

 

営業力はあるものの、売り物がない会社

1つは営業力はあるものの、売り物(商品・サービス)のない会社です。

大企業(の営業系)出身者が創業者となった会社で良く見る例です。
大企業出身、しかも営業出身となると、それなりに人脈が築かれていることが多いもの。
その人脈を活かし、得意の営業術で仕事を獲得していくのです。

ただ、売ることは得意でも、肝心の売り物を考えるのが苦手。
営業系人材に良く見られる傾向なのですが、目の前の案件はクローズできるものの、
中長期で物事を考えて進めていくことができないのです。
(もちろん、目の前の案件をクローズできるというのは、トップ営業たる社長として非常に大切なスキルです)

お客様が困っている話を聴いて、それを解決するためにホイホイとエンジニアを売ってしまう。
気づけば意図せず人材派遣会社になっている、というパターンです。
(契約上は受託開発になっていたりしますが、リアルな現状を見ると・・というケースも)

当然、会社としての方針があり、それで人材派遣業を営んでいるのであれば、それは素晴らしいことです。
その一方で、方針なくして派遣業をやらざるを得なくなっている会社を、何度も見てきました。
組織としての弱みが「中長期における計画策定能力」なのだとすれば、それは克服する必要があります。

 

技術力はあるものの、売り手がいない会社

もう1つは技術力はあるものの、売る人がいない会社です。

エンジニアがそのまま創業者になったときに、良く見るパターンです。
技術者はコード(プログラム)を書いているときや、機械を触っているときが、一番楽しいもの。
ですから商品・サービスを試しに作ってみるところまでは、トントン拍子で進みます。

しかし、自分の思い込みだけで、一般的に商品・サービスは売れません。
試作品までできたところから、途端に動きが悪くなるのが、このような組織の特徴です。

 

試作を作るまでは、全体工程から見れば3割程度

私は、新事業を立ち上げるのに、試作品までできた時点で「ようやく3割終わった」くらいの感覚でいます。
エンジニアの視点からみると、8割くらいは終わった感覚でいるでしょうから、そのギャップは大きいものです。

しかし、試作を作るまでよりも、

  • 試しに売ってみて、
  • 顧客からのフィードバックをもらい、
  • 商品を改善していき、
  • 正式に値段を決めたり
  • サービス仕様を固めたりしつつ
  • 実際に売上・利益を上げる

という仕事に掛かる時間や苦労は、試作までよりもよほど大変なのです。

また、この傾向の会社は、ビジネス的な観点ではなく、技術的に面白いかどうかで試作を作ってしまいがちです。
ですから実際に市場に出してみると、思わぬ反応があり、コンセプトから見直すことになり、その後の工程が長くなる傾向もあります。
繰り返しになりますが、試作品の完成は、「ようやく3割」くらいに思っておいた方が良いでしょう。

一言に集約すれば、「作ることよりも、売ることの方が大変」なんです。
もちろん作ることの苦労を理解することも大切です。
ただ、エンジニア系人材が創業者の場合、作ることに魂を込めすぎて、売ることが疎かになる(というよりも逃げてしまう)ことが多いのです。

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【編集後記】
明日、とある企業で研修講師を行うために大阪に来ています。
台風直撃なので、少し早めに入りました。
これから知人の税理士とミーティング&会食です。

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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