独立・起業

「複業」によって得られる社員・企業それぞれのメリット

今朝の日経新聞1面に

正社員の副業 後押し
政府指針、容認に転換 働き方改革

という記事が出ています。
これによると厚労省の「モデル就業規則」を変更することで副業を「原則容認」に転換するそうです。
今更ながら「やっとそういう方向になってきたか」という印象です。

では、副業によって働く人・雇う企業側、それぞれのメリットは何でしょうか。
ちなみに私は、パラレルキャリアとしての「複業」の方が良い言葉だと思っています。
主・副という考え方よりも、全てを同じように大切と考えた方が良いからです。
そのため、この記事では「複業」として書きます。

 

複業で個人が得られるメリット

収入が増す

まず分かりやすいメリットは収入が増すことです。
ちょっとしたサイドワーク(副業)でも、月に1〜3万円程度は稼ぐことができます。
家計が苦しいとき、この1〜3万円は嬉しいのではないでしょうか。

私は会社員時代、複業で行っていたセミナーで、妻のスマートフォンを新調したことがあります。
複業の活動を妻に認めてもらいたいという思惑もあったのですが(笑)、それ以上に単純にプレゼントできたことが嬉しかったのでした。

小さく始めたサイドワークが大きく育ち「複業」状態になれば、一層、収入は増えていくでしょう。
余談ですが、仮に将来、独立・起業すると、パラレルワーク(複業)は当たり前の状態になります。
例えば私は現在、大きく分けても5つほどの仕事をしています。

ビジネスの全体像を捉えることができる

複業を始めるとき、私がお勧めしたいのは小さくとも自ら事業を立ち上げることです。
既にできあがっている仕組み、例えばアフィリエイトなどに乗るのではなく、自分で企画・集客などができるものを行うのです。

その1つ例がセミナーです。
自ら内容を企画し、潜在顧客にアプローチしていく。
お金を頂き、サービスを提供し、その後はフォローアップする。

こういうサイクルを回すことによって、ビジネスの全体像を捉えることができるようになります。
顧客に来てもらうためには、どうメッセージを伝えていけば良いのか?
価格設定はどうすれば良いのか?
そういった、どんなビジネスでも課題になることを自分事として感じることで、確実にビジネス全体を把握するスキルが身に付くのです。
私の知る限り、この「全体感」を持っているビジネスパーソンは非常に少ないと感じています。

転職せずとも新しい組織でキャリアアップできる

会社員にとって嬉しいのは、ゼロかイチかの転職がなくなることでしょう。
今の仕事をしながら、別の組織を体験してみる。
そちらの方が楽しいし、将来の成長につながるなら、そちらの仕事の割合を増やしていく。

味見をしながら、より良い組織に重心をシフトしていくことができるのです。
結果的に、自分が望む形でキャリアアップしやすくなっていくでしょう。

働く総量を自分でコントロールできる

働く総時間を自分で決められることです。
人はあるときはいくらでも働きたいと思い、またあるときは少ししか働きたくないと感じるでしょう。
独身で時間に余裕があるときは、ひたすら仕事をしたいと思うかもしれません。
子どもが生まれた直後や、親の介護をするときは、仕事量をセーブしたいと思うでしょう。

複業が当たり前の世の中になれば、平日の9時〜17時に必ずしも会社にいる必要はなくなります。
Yahooが週休3日にしたように、複業の浸透に伴って、そのような企業が増えていくはずです。
自分の人生のステージに合わせて、総時間をコントロールしていけます。

この流れで、今で言う正社員と派遣社員との差がなくなってくるのでは、と思います。
両者の間の格差が問題視されることがありますが、自然と条件面の差がなくなっていくと良いですね。

 

複業で企業が得られるメリット

より良い人材を獲得しやすくなる

次に企業側が得られるメリットです。
より良い人材を獲得しやすくなっていくでしょう。
上述の通り、複業OKにすれば、スキルアップしたい人材や、次の仕事を模索している人材の流動性が高まります。

しっかりと自社がやっていることや方向性を示すことができれば、それに魅力を感じる人材を集めることができるようになるでしょう。
実際、今は若年層ほど給与や福利厚生などの条件面よりも、仕事内容そのもので会社を選ぶ傾向が高いと感じています。

教育費がコストダウンする

次に教育費が減ることです。
これまでは新卒を採用して、数ヶ月かけて育成することが当たり前のように行われてきました。
しかし、新卒社員であったとしても複業を行う可能性が出てきますので、自社に特化させた人材育成は現実的ではなくなります。

新卒でも中途でも、即戦力が前提となってくるのです。
これは個人にとっては自己投資が求められることになりますが、企業側にとっては教育コストが下がることを意味します。

生産性の低い社員に対する対処がしやすくなる

生涯雇用を前提とした日本では、生産性の低い社員に対する対応に苦慮してきました。
友人・知人の外資系企業では、突然「来月から来なくて良いよ」という話が日常茶飯事なのに、日本企業ではあの手この手を尽くさなければなりません。
人材の流動性が高まれば、必然的にこういう問題にもメスが入るようになってきます。
より事業への貢献が高い社員に報い、そうでない社員にはそれなりの対処をすることが可能になっていくでしょう。

 

複業で企業が被るデメリット

将来性、ビジョンのない組織からは人が離れる

一方でデメリットもあります。
ビジョンを語れない組織、そして将来性を感じさせない組織からは人が減っていきます。

多くの企業を見ていますが、若年層ほど、給与や福利厚生よりも、「自分がやりたいことができるか?」「成長できるか?」「社会に貢献できるか?」という視点で仕事を見ています。
そのため、将来性を語れない経営者・組織に対して、非常に冷めた目で見る従業員が増えているように感じています。
これまで以上に経営者には、ビジョン・戦略を中心に未来を語ることが求められるでしょう。

働きやすさを提供できない組織からも人が離れる

人材の流動性が高まると、働きやすい企業とそうでない企業の差も広がってきます。
当然のことながら、働きやすい企業に良い人材はシフトしていきます。
働く場所、時間帯、ツールを自分で選べるような柔軟性の高い企業ほど、優位に立つでしょう。

意味もなく9時に出社を強要するような企業からは人が離れていくことになります。
生産性の低いミーティングを繰り返すような企業も同様でしょう。

二極化が進み、負け組は一層負けるようになる

ここまで書いて思いましたが、上司・部下という縦の関係も崩れていくでしょう。
縦の関係を作りたがる経営者・管理職からは、人が離れていくからです。
結果的に、今まで以上に企業間の二極化が進んでいくことと思います。

個人的には人々が自分の能力を発揮できる企業が伸びて、そうでない企業が凋落していくのは仕方のないことだと思います。
良い意味で、企業がより良くなっていく方向になればと思います。

以下は以前に書いた関連記事です。

https://biz-it-base.com/?p=7612

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【編集後記】
未だにトレランのダメージが・・
昨日、プールに浸かり、軽くバイクも漕ぎ、9時間も(笑)爆睡したのですが、
まだまだ筋肉痛がすごいです。。下り階段が特に。

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!
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