IT・システム関連

GoogleがIntelを裏切った?動きから学べること

こんにちは、渋屋です。

 

昨日、興味深いニュースを発見しました。

GoogleがサーバをIntelからIBMの「OpenPOWER」陣営に乗換え、Intelにとっては大打撃

というニュースです。

 

ニュースの概要

Googleはこれまで、Intelのチップを採用して、巨大なデータセンターを運営して、そのサービスを提供してきました。しかしながら、今回のニュースによると、チップの提供元をIBMに切り替えるとのことです。IT業界以外の一般の方には、あまり多く知られていませんが、IBMはCPUを提供する会社なのです。

そのIBMが提供するCPU「Power」を、Googleは採用することにしたのです。

 

Googleの狙い

上記のニュースにも書いてありますが、GoogleがCPUを替えるということは、リスクを伴うことです。CPUが変わるということは、それを使うOS(オペレーションシステム)レベルから、ソフトウェアを変更していく必要があるからです。企業のシステムが、なかなかWindows XPから離れられないように、一定規模以上のシステムを稼動させるのに、OSの変更は相当インパクトが伴います。

 

それだけのリスクを伴っても、IntelからIBMへ乗り換えた理由は何でしょうか?

一言で言えば、「CPU提供元に対する優位性を維持するため」だと思われます。

 

CPUに限った話ではありませんが、自分の事業のコアになる部分を、1社に委ねるのはリスクが伴います。

蕎麦屋が蕎麦粉を1社から仕入れていたら?そういうことは実際には多いでしょうが、その1社が突然価格を上げたらどうなるでしょう?

日本にケータイキャリアが1社しか無かったら?こんなに価格は下がらず、高止まりしていたでしょう。

 

Googleという、大量にCPUを仕入れる上顧客であったとしても、リスクは同じです。上顧客としての交渉力はあるでしょうが、それでも1社に依存しているという状態は変わらないからです。Googleは、Intelの施策に振り回されるリスクを今のうちに回避しておこう、という決断をしたのです。

 

このまま、ずっとIBMから仕入れることにするのか?IntelとIBMを組み合わせてCPUを仕入れていくのか?まだ分かりません。しかし、古くからメインフレームによって、チップだけでなくシステム全体を設計してきたIBM。そのIBMに対し、大規模クラウド事業者であるGoogleが様々な要求をぶつけていく。それによってIBMという会社・製品・サービスのレベルが高まるのであれば、IT業界全体にとっては喜ばしいことのように思えます。また、Intelにも同様に挽回すべく頑張って頂きたいです。

 

5フォースという戦略フレームワーク

余談ですが、今回のGoogleの動きは、「5フォース」という戦略フレームワークによって、より深く理解できます。ただ、この5フォースは、産業構造が固定化していた約30年前に提唱されたフレームワークで、使うには注意が必要です。単に知っておく程度で十分かと思います。なお、5フォースの注意点などは、こちらのページに恐ろしく良くまとめられています。ご興味ある方は、確認してみて下さい。

このフレームワークを神のように崇めて振りかざすコンサルタントには、注意しましょう(^^;

 

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【編集後記】

今日は息子の授業参観でした。小学校の授業風景、懐かしくて良いですね。

 

今日も素晴らしい1日になります。感謝!!

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